ど素人ランナー #003|7kmまでは大人だった。最後の1kmで調子に乗った。

🏃 RUNNING LOG
#003
📅 2026/11/06 23:20
本日のランニング記録
大人だから無理しない。……はず。
📍 走行距離
8.01 km
⏱️ 走行時間
0:52:38
⚡ 平均ペース
6:34 /km
❤️ 平均心拍
148 bpm
平均ケイデンス
170 spm
🌡️ 気温
12 ℃
👟 TODAY’S PARTNER
ASICS NOVABLAST 6

ランニングが嫌いだった40代が、健康のために走り始めた。

まだまだ初心者。というか、ど素人。

そんな僕が、今回のランニングで大きな成長を遂げた。

なんと、7km走っても余裕があったのである。

素晴らしい。

高校時代から長距離走が嫌いだった人間が、7km走ってもまだ余裕を感じている。

これはもう、ランナーとして覚醒したのではないだろうか。

40代にして、隠された才能が開花した。

……。

いや、落ち着け。

まだ7km。

しかも、走り始めたばかりのど素人。

ただし、今回の本当の問題はそこではない。

残り1kmで、僕は調子に乗った。

またかよ。

目次

今日は最大8km。大人だから無理しない。

今回のランニングには、明確なルールがあった。

最大8kmまで。ペースは気にせず、きつくない速さで走る。

完璧である。

なんと理性的な計画だろう。

健康のために始めたランニングで、無理をしてどうする。

大人だから無理しない。

40代にして、ついに自制心を手に入れた。

いや、もう十分大人なんだけど。

そんな立派な計画を胸に、23時20分頃からランニングを開始した。

相棒は、もちろんNOVABLAST 6。

今回も深夜のランニングとなりました。

ペースを気にせず走ったら、7kmまで余裕があった。

今回は時計のペースに合わせようとはせず、自分がきつくないと感じる速さで走った。

最初の1kmは7分00秒。

2km目は6分52秒。

3km目は6分44秒。

結果的に、少しずつペースが上がっていった。

でも、速く走ろうとしていたわけではない。

あくまで、自分の感覚を優先する。

無理しない。

無理しない。

大人だから。

そして5km。

6km。

7km。

……。

まだ結構余裕がある。

おや?

これはどうしたことだろう。

あれほど長距離走が嫌いだった僕が、7km走ってもまだ余裕を感じている。

これはもう、ランニングの才能が目覚めたのかもしれない。

遅咲きの天才ランナー。

……知らんけど。

でも、少しうれしい。

無理にペースを上げなくても、ここまで走れた。

これこそ僕が目指していた、大人のランニングではないだろうか。

大人の余裕。

うん。

いい感じだ。

……ここまでは。

残り1km。なぜか調子に乗り始める。

7km地点。

予定していた8kmまで、残り1km。

まだ余裕がある。

そこで僕は、ひとつの選択をした。

最後の1kmだけ、ちょっとスピードを上げてみよう。

……。

出た。

調子に乗るやつ。

せっかくここまで、無理せず走ってきたというのに。

あと1kmで計画どおり終了できるというのに。

なぜ、わざわざ追い込もうとするのか。

ただ、今回は意図的にスピードを上げた。

最後の1kmだけ、ちょっと頑張ってみたかったのである。

そして、その結果。

5分32秒/km。

……。

え?

5分32秒?

直前の1kmは6分21秒/km。

そこから一気に49秒も速くなっている。

いやいやいや。

ちょっと待って。

思ったより頑張ってない?

そして案の定、最後は結構きつかった。

そりゃそうだ。

7km走ったあとに、自分にとって速いペースで走ったのである。

大人だから無理しない。

そう言って走り始めたはずなのに。

最後の最後で、しっかり調子に乗っている。

ただし、ひとつだけ言わせてほしい。

8kmという距離の上限は守った。

つまり、距離に関しては理性的だった。

問題は、その8kmの使い方である。

データを見ると、最後の1kmだけ別人だった。

今回のランニングは8.01km、52分38秒。

1kmごとの記録を見てみる。

区間ペース平均心拍
1km7:00/km128
2km6:52/km139
3km6:44/km144
4km6:43/km148
5km6:41/km148
6km6:35/km152
7km6:21/km159
8km5:32/km173

……。

最後の1km、どうした?

急に別人みたいになっている。

心拍数も173拍/分まで上昇。

さらに、Apple Watchの心拍ゾーン4・5に入っていた時間は合計19分11秒。

52分38秒のうち、約36%である。

もちろん、これは最後の1kmだけの数字ではないし、時計の心拍ゾーン設定にも左右される。

ただ、「きつくない」と感じながら走っていた時間も、身体にはそれなりの負荷がかかっていたのかもしれない。

なるほど。

自分の感覚だけでは分からないこともあるらしい。

……。

ところで、ひとつ気になった。

最後の1kmだけ速く走ることって、トレーニングとして意味があるのだろうか?

せっかく調子に乗ったのだから、何かしらの意味があってほしい。

というわけで、論文を調べてみた。

自分の行動を、後から科学で正当化しようとしているわけではない。

……たぶん。

最後だけ速く走る練習に意味はあるのか?

2020年、Litleskareらは健康な若い成人25人を対象に、8週間のランニングトレーニングを比較した。[1]

比較したのは、30〜60分の持続走と、30秒間のほぼ全力スプリントを繰り返す練習。

その結果、どちらも最大酸素摂取量(VO₂max)が改善し、スプリント能力などには練習方法による違いも見られた。

VO₂maxとは、ざっくり言えば、酸素を取り込んで利用する能力の指標である。

なるほど。

速く走る練習にも、ちゃんと意味があるらしい。

よし。

今回の最後の1kmも、無駄ではなかったのかもしれない。

……と思いたいところだが。

この研究は「最後の1kmだけ速く走る方法」を調べたものではない。

しかも、対象は若い成人。

40代の初心者にそのまま当てはめることもできない。

つまり、今回の僕の走りに効果があったとは証明できないのである。

残念。

そんな都合のいい論文ではなかった。

やはり、毎回無理をする必要はなさそうだ。

大人だから無理しない。

……。

その結論、走る前に思い出したかった。

じゃあ、初心者はゆっくり走るだけでも速くなるの?

もうひとつ気になることがある。

今回、7kmまでは無理せず走れた。

でも、ゆっくり走るだけでもランニング能力は向上するのだろうか?

2018年、Zinnerらは市民ランナー42人を対象に、8週間のトレーニング強度の配分を比較した。[2]

その結果、低強度中心のグループを含め、すべてのグループで5kmの走行タイムが改善した。

さらに、低強度中心のグループでは、ランニングエコノミーの改善も報告されている。

ランニングエコノミーとは、簡単に言えば走りの省エネ性能である。

ほう。

ゆっくり走る練習にも、ちゃんと意味がありそうだ。

ただし、この研究は初心者だけを対象にしたものではなく、8週間ずっと低強度だけで練習したわけでもない。

だから「ゆっくり走るだけで必ず速くなる」とまでは言えない。

それでも、低強度中心の練習でも走力が改善したという結果は心強い。

無理して毎回速く走らなくてもいい。

これは素晴らしい。

大人だから無理しない。

ついにこの言葉に、科学的な後ろ盾ができた気がする。

……。

僕の自制心まで保証してくれるわけではないけど。

そもそも「ゆっくり」って、どれくらい?

ここで、また問題がある。

ゆっくりって、どれくらい?

7分00秒/km?

8分00秒/km?

初心者の僕には、正直よく分からない。

そこで参考になりそうなのが「トークテスト」である。

2014年、ReedとPipeのレビュー論文では、運動中に無理なく会話できるかどうかが、運動強度の目安として紹介されている。[3]

つまり、ペースの数字よりも、会話できる程度の余裕があるかを意識する方法だ。

もちろん、正確な測定の代わりになるわけではないが、初心者にも分かりやすい。

なるほど。

これは使えそう。

ただ、ひとつ問題がある。

僕が走るのは、だいたい夜遅い。

しかも一人である。

深夜に一人でしゃべりながら走る40代のおじさん。

……。

それはそれで、ちょっと問題がありそうだ。

実際に声を出さなくても、会話できそうな余裕を意識すればいい。

知識は増えた。でも、自制心は育っていない。

今回のランニングで分かったことがある。

ゆっくり走る練習にも意味がある。

速く走る練習にも、それぞれ違った意味がある。

ただし、今の僕に大切なのは、まず無理なく走る習慣を続けること。

距離も運動量も、少しずつ増やしていけばいい。

焦る必要はない。

大人だから無理しない。

うん。

とても理性的だ。

……。

ただし。

僕は今回のランニングを始める前にも、まったく同じことを考えていたのである。

そして、7km地点で調子に乗った。

つまり、知識が足りないのではない。

知識を使いこなす本人に問題がある可能性が出てきた。

これは厄介だ。

論文を読めば、運動生理学の知識は増える。

でも、知識が増えたからといって、急に走り方が上手になるわけではない。

だって素人だから。

ところで、心肺機能や脚の筋肉がトレーニングで適応していくように、自制心も鍛えられるのだろうか。

もしそうなら、僕には相当なトレーニングが必要である。

心肺より先に、自制心を鍛えた方がいいかもしれない。

……。

40代にもなって、今さら自制心のトレーニング。

ランニング以前の問題ではないだろうか。


「大人だから無理しない。」

そう言い聞かせながら走り始めた、40代のど素人ランナー。

果たして、どこまで走れるようになるのか。

そして、#100まで調子に乗らずにいられるのか。

……正直、後者の方が難しい気がする。

ど素人ランナーの挑戦は、NOVABLAST 6とともに、まだまだ続く。

参考文献

  1. Litleskare S, et al. Sprint Interval Running and Continuous Running Produce Training Specific Adaptations, Despite a Similar Improvement of Aerobic Endurance Capacity—A Randomized Trial of Healthy Adults. International Journal of Environmental Research and Public Health. 2020;17(11):3865. 論文はこちら
  2. Zinner C, Olstad DS, Sperlich B. Mesocycles with Different Training Intensity Distribution in Recreational Runners. Medicine & Science in Sports & Exercise. 2018;50(8):1641–1648. 論文はこちら
  3. Reed JL, Pipe AL. The Talk Test: A Useful Tool for Prescribing and Monitoring Exercise Intensity. Current Opinion in Cardiology. 2014;29(5):475–480. 論文はこちら

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